e-文書法

紙文書保存の規制を緩和するe-文書法

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e-文書法とは

法人税法や会社法、証券取引法などで紙による原本保存が義務付けられていた帳票などの書類を、「スキャナで電子化し保存すること」を容認する法律です。法律で認められた方法で電子化し記録メディアに保存することで、電子化された書類を廃棄できます。

次の二つの法律で構成されています。

国税関係書類は整備法により電子帳簿保存法が改正され、一定要件のもとスキャナ保存が容認されました。

*電子化対象外となる書類があります。
1)船舶に備える安全手引書など緊急時に即座に確認する必要があるもの
2)免許証、許可証など現物性が極めて高いもの

単なるコスト削減ではなく企業競争力の強化へ

e-文書法の最大の狙いは、"文書保存に関わる負担の軽減を図る"ことです。

日本経団連の試算によれば、税務書類の保存コストは経済界全体で年間約3,000億円と言われています。
ただし、書類の電子化におけるメリットは単なるコスト削減ではありません。
電子化されたデータを効率よく活用すれば、業務や経営という観点からも大きな効果があげられます。書類の電子化は、企業競争力の強化の武器となり得るのです。

保管スペースのコスト削減

書類の物理的な保管スペースが廃棄により不要になるため、キャビネットスペースの賃貸料などコスト削減ができます。外部倉庫を利用している場合、倉庫費はもちろん、搬送費や資料取り寄せにかかる費用なども削減できます。作業に関わる人件費も含め、文書保管コストを大幅に削減できるのです。

業務効率化と顧客満足度の向上

電子化しネットワークを介してやり取りすれば、業務全体のスピードアップ、効率化が図れます。併せて問い合わせ対応など顧客へのサービス向上につながり、顧客満足度の向上も図れます。

コンプライアンスの強化とリスク対応

電子化されたデータは、パスワードやIDによるアクセス権限の管理、アクセスログ管理を容易にします。また、BCPにおける災害対策として、バックアップデータを作成し分散して持つことで、リスクを抑制できます。

電子化保存が認められた代表的な書類

保存が義務付けられている書類は、会社法や税法などが規定する、すべての企業に共通する「共 通文書」と特定の業種で固有の法律が規定する「業種別文書」に大別されます。
このうち、e-文書法によって電子化保存が認められた「共通文書」の代表的なものは

などです。
一部例外があり、例えば決算関係書類、帳簿は対象外です。

各府省によって異なる電子化の要件

電子化要件は、各府省の省令により異なります。
経済産業省では、
1)見読性、2)完全性、3)機密性、4)検索性、の要件を定義しています。
国税庁では、
1)可視性を確保するための要件、2)真実性を確保するための要件、3)税務署長の事前確認制度、となっています。

また対象となる書類の性質により、満たすべき要件のレベルが異なります。
経済産業省では、最も基本となる「見読性の確保だけが求められるレベル」から、「4つすべての要件が確保されていなければならないレベル」まで、さまざまです。
注意すべきは、「書類により複数の法令で保存義務が課せられていること」です。
例えば「貸借対照表」の場合、

つまり電子帳簿保存法によれば、「貸借対照表」は決算関係書類に該当しますので、スキャナ等で電子化した場合の保存は容認されていません。
このように、同じ文書でも法令によって要件が異なる場合には、要件が厳しい法令に従って、電子保存をしなければなりません。

e-文書法施行による電子帳簿保存法の改正

国税関係帳簿書類については、電子帳簿保存法が改正され「スキャナ保存制度」として、一部を除き電子化保存が認められるようになりました。

1)対象書類
対象書類 下記以外の国税関係帳簿書類(契約書・領収書及びこれらの写し、契約の申込書・検収書・請求書・見積書・納品書・注文書等及びこれらの写し)
対象外書類 決算関係書類 ・ 帳簿
2)読み取る装置

スキャナ等(デジカメ、スマートフォンも含む)

※ 平成28年度の税制改正で、「原稿台と一体になったものに限定する」要件が廃止されました。

「平成28年度 税制改正」をご覧ください。

3)保存要件
-1.入力要件
早期入力方式 書類の作成または取得後、速やか(1週間以内)にスキャニングし、保存。
業務サイクル
対応入力方式

事務処理規定等で定められた期間(書類の作成または取得後、最長1ヶ月以内)経過後、速やか(1週間以内)にスキャニングし保存。

(国税関係書類の作成または受領から入力までの各事務の処理に関する規程を定めている場合に限ります。)

適時入力方式 見積書、注文書、契約の申込書(定型的約款のあるもの)、検収書などの一般書類は、そのスキャニングにおける事務処理手続きを定めている場合に限り、入力期間の期限を定めず、適時のスキャニングが可能。これらは、過去分をさかのぼって入力が可能。

-2.電子計算機処理システムの要件
(ア)解像度・階調

解像度は200dpi以上、階調はRGB各256階調以上のカラー以上で読み取りが可能であるようにする。
※適時入力方式の場合は、グレースケールでもよい。

(イ)入力者情報確認 入力をおこなう者又はその者を直接監督する者の情報を確認できるように記録する。例を下記に示します。
・システムLOG
・電子署名(認印相当でも可)
(ウ)タイムスタンプ スキャナで読み取る際に、その国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項に財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプを付す。
課税期間中の任意の期間を指定し、一括して検証する必要がある。
(エ)読み取った際の
解像度等の情報の保存
スキャナで読み取った際の解像度、階調及び国税関係書類の大きさに関する情報を保存する。
※適時入力方式の場合は、大きさに関する情報の保存を不要とする。
(オ)バージョン管理 電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行った場合、これらの事実及び内容を確認することができるようにする。
-3.スキャニングした書類と帳簿との関連性の確保

スキャン文書と国税関係帳簿との各記録事項の関連性を確認することができるようにする。
例)帳簿とスキャン文書に共通する番号の付番をおこなう。

-4. 可視性の確保

スキャン文書を保存するサーバ等の設置場所について制限はないが、閲覧する端末は納税地に設置されていなくてはならない。その場所に備え付けておく必要があるものは下記の通りです。

~この状態で速やかに出力をおこなう~

-5.システム関係書類の備付け

各税法に規定する納税地に下記の書類(又は電子データ)の備付をおこなう。

-6.検索機能の確保

効率よく閲覧するため、事前に検索項目の登録を行い、検索・抽出ができるようにする。
(取引年月日、その他の日付、取引金額、その他の主要な項目(記録項目)を検索条件として設定)

なお、金額や日付項目は、「From-To」で検索出来る必要がある。また、複数の項目を組み合わせて検索することが出来る必要がある。

4)適用関係

税務署長の事前確認制度(みなし承認)
承認申請書は、国税関係書類をスキャナ保存に代える日の3カ月前の日までに所轄の税務署へ提出する必要がある。

平成28年度税制改正

1)ポイント

1 契約書、領収書等の重要書類を受領する者がスキャナで読み取りを行う場合、次に掲げる事項をスキャナ保存の要件とする。

①書類の受領後、受領する者が当該書類に署名を行った上で、特に速やか(3日以内)に電子化しタイムスタンプを付すこと。

②A4以下の大きさである場合、書類の大きさに関する情報の保存を要しない。

③適正事務処理要件については、次のとおり。
イ)相互けん制要件について、書類の受領する者以外の者が記録事項の確認(必要に応じて原本の提出を求めることを含む。)を行うことで足りる。
ロ)定期検査要件について、定期検査まで必要とされている原本保存を本店、支店、事務所、事業所等において行う。

④小規模企業者である場合、税務代理人(税理士等)による定期検査とすることにより、上記③イの相互けん制要件を不要とすることができる。

2 その他

①スキャナについて、原稿台と一体となったものに限定する要件を廃止する。

②スキャナに係る階調の要件について、デジタルカメラ、スマートフォン等の機器に対応した取扱いを行う。

③その他所要の措置を講ずる。

2)改正による効果(経済産業省資料より抜粋)

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ジェイ・アイ・エムがお手伝いできること

法令などによって保存が義務付けられている書類は、e-文書法に関連する約250の法令と各府省の省令にあげられています。
e-文書法に対応するためには、お客さまの業種や書類の性質から、関係する条文で保存義務があるとされている書類の特定が必要です。
「廃棄したい書類が対象かわからない」、「どうやればいいのかわからない」とお悩みのお客様は、ぜひ一度ジェイ・アイ・エムへご連絡ください。

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