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e-文書法

e-文書法とは

法人税法や会社法、証券取引法などの法令の規定により書面による保存、作成、縦覧等、または交付等(以下、「保存等」という。)が義務付けられていた文書を、「電子データによる保存等」を容認する法律です。ここでいう「電子データによる保存等」には、当初から電子的に作成された文書を電子的に保存等することだけでなく、書面で作成された文書をスキャナでイメージデータ化し、電子的に保存等すること(スキャナ保存)も含まれています。各主務省令で定められた方法で電子的に保存等することで、書面の保存等に代えることができるようになりました。

次の二つの法律で構成されています。

◎ 「民間事業者等がおこなう書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」(通則法)
→ 関連する法律を個別に改正することなく、個々の法律を改正したものと同様の意味を持つ法律

電子的に保存等する方法は、各主務省令(施行規則等)で定められています。

◎ 「民間事業者等がおこなう書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(整備法)
→ 通則法の例外事項と、通則法のみでは対応しきれない部分を補うための法律

国税関係書類は整備法により電子帳簿保存法が改正され、一定要件のもとスキャナ保存が容認されました。

* 電子保存の対象外となる書類があります。

  1. 船舶に備える安全手引書など緊急時に即座に確認する必要があるもの
  2. 免許証、許可証など現物性が極めて高いもの

単なるコスト削減ではなく企業競争力の強化へ

e-文書法の最大の狙いは、”文書保存に関わる負担の軽減を図る”ことです。

日本経団連の試算によれば、税務関係書類の保存コストは当時経済界全体で年間約3,000億円と言われていました。
ただし、書類の電子化におけるメリットは単なるコスト削減ではありません。
電子化されたデータを効率よく活用すれば、業務や経営という観点からも大きな効果があげられます。書類の電子化は、企業競争力の強化の武器となり得るのです。

◎ 保存スペースのコスト削減
→ 書類の物理的な保存スペースが廃棄により不要になるため、キャビネットスペースの賃貸料などコスト削減ができます。外部倉庫を利用している場合、倉庫費はもちろん、搬送費や資料取り寄せにかかる費用なども削減できます。作業に関わる人件費も含め、文書保存コストを大幅に削減できるのです。

◎ 業務効率化と顧客満足度の向上
→ 電子化しネットワークを介してやり取りすれば、業務全体のスピードアップ、効率化が図れます。併せて問い合わせ対応など顧客へのサービス向上につながり、顧客満足度の向上も図れます。

◎ コンプライアンスの強化とリスク対応
→ 電子化されたデータは、パスワードやIDによるアクセス権限の管理、アクセスログ管理を容易にします。また、BCPにおける災害対策として、バックアップデータを作成し分散して持つことで、リスクを抑制できます。さらに、ワークスタイル変革においても必須の要件であるといえます。

電子化保存が認められた代表的な書類

保存が義務付けられている書類は、会社法や税法などが規定する、すべての企業に共通する「共 通文書」と特定の業種で固有の法律が規定する「業種別文書」に大別されます。
このうち、e-文書法によって電子化保存が認められた「共通文書」の代表的なものは

  1. 会計帳簿
  2. 証憑書類(相手方から受け取った見積書、注文書、契約の申込書、送り状、納品書、検収書、請求書、契約書領収書等、および自己の作成したこれらの書類の写し)
  3. 営業報告書
  4. 財産目録
  5. 事業(業務事務)報告書
  6. 付属明細書
  7. 組合員(会員、加入員)名簿
  8. 議決権行使書
  9. 規約等
  10. 資産負債状況書類
  11. 社債権者集会議事録謄本
  12. 社債原簿謄本
  13. 総会議事録(創立総会含む)
  14. 取締役会議事録
  15. 定款

などです。

各府省によって異なる電子化の要件

電子化要件は、各府省の省令により異なります。

経済産業省では、
1)見読性、2)完全性、3)機密性、4)検索性、の要件を定義しています。

国税庁では、
1)可視性を確保するための要件、2)真実性を確保するための要件、3)税務署長の事前確認制度、となっています。

また対象となる書類の性質により、満たすべき要件のレベルが異なります。
経済産業省では、最も基本となる「見読性の確保だけが求められるレベル」から、「4つすべての要件が確保されていなければならないレベル」まで、さまざまです。
注意すべきは、「書類により複数の法令で保存義務が課せられていること」です。

例えば「貸借対照表」の場合、
会社法 見読性の要件が確保されていれば電子保存を容認。
電子帳簿保存法 最初からコンピュータで作成された電子データでの保存のみ容認。

つまり電子帳簿保存法によれば、「貸借対照表」は決算関係書類に該当しますので、スキャナ等で電子化した場合の保存は容認されていません。
このように、同じ文書でも法令によって要件が異なる場合には、要件が厳しい法令に従って、電子保存をしなければなりません。

e-文書法施行による電子帳簿保存法の改正

国税関係帳簿書類については、電子帳簿保存法が改正され「スキャナ保存制度」として、一部を除き電子化保存が認められるようになりました。

1)対象書類

対象書類 下記以外の国税関係帳簿書類(契約書・領収書およびこれらの写し、契約の申込書・検収書・請求書・見積書・納品書・注文書等およびこれらの写し)
対象外書類 帳簿 ・ 計算、整理または決算関係書類

2)読み取る装置

スキャナ等(デジカメ、スマートフォンも含む)
※ 平成28年度の税制改正で、「原稿台と一体になったものに限定する」要件が廃止されました。
「平成28年度 税制改正」をご覧ください。

3)保存要件

-1.入力要件

早期入力方式 書類の作成または取得後、速やか(1週間以内)にスキャニングし、保存。
業務サイクル
対応入力方式
事務処理規定等で定められた期間(書類の作成または取得後、最長1ヶ月以内)経過後、速やか(1週間以内)にスキャニングし保存。
(国税関係書類の作成または受領から入力までの各事務の処理に関する規程を定めている場合に限ります。)
適時入力方式 見積書、注文書、契約の申込書(定型的約款のあるもの)、検収書などの一般書類は、そのスキャニングにおける事務処理手続きを定めている場合に限り、入力期間の期限を定めず、適時のスキャニングが可能。これらは、過去分をさかのぼって入力が可能。

-2.電子計算機処理システムの要件

(ア)解像度・階調 解像度は200dpi以上、階調はRGB各256階調以上のカラー以上で読み取りが可能であるようにする。
※適時入力方式の場合は、グレースケールでもよい。
(イ)入力者情報確認 入力をおこなう者またはその者を直接監督する者の情報を確認できるように記録する。例を下記に示します。
・システムLOG
・電子署名(認印相当でも可)
(ウ)タイムスタンプ スキャナで読み取る際に、その国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項に財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプを付す。
課税期間中の任意の期間を指定し、一括して検証する必要がある。
(エ)読み取った際の解像度等の情報の保存 スキャナで読み取った際の解像度、階調および国税関係書類の大きさに関する情報を保存する。
※適時入力方式の場合は、大きさに関する情報の保存を不要とする。
(オ)バージョン管理 電磁的記録の記録事項について訂正または削除を行った場合、これらの事実および内容を確認することができるようにする。

-3.適正事務処理要件

国税関係書類の作成または受領からスキャナで読み取るまでの各事務について、次に掲げる事項に関する規程を定めるとともに、これに基づき各事務を処理すること。

  1. 相互けん制:相互に関連する各事務について、それぞれ別の者がおこなう体制
  2. 定期的な検査:各事務に係る処理の内容を確認するための定期的な検査をおこなう体制および手続
  3. 再発防止:各事務に係る処理に不備があると認められた場合において、その報告、原因究明および改善のための方策の検討をおこなう体制

-4.スキャニングした書類と帳簿との関連性の確保

スキャン文書と国税関係帳簿との各記録事項の関連性を確認することができるようにする。
例) 帳簿とスキャン文書に共通する番号の付番をおこなう。

-5.可視性の確保

スキャン文書を保存するサーバ等の設置場所について制限はないが、閲覧する端末は納税地に設置されていなくてはならない。その場所に備え付けておく必要があるものは下記の通りです。

  • 電子計算機
  • 14インチ以上のカラーディスプレイ
  • カラープリンタ
  • スキャン文書の拡大・縮小機能を有したソフト
  • 操作説明書

~この状態で速やかに出力をおこなう~

  1. 整然とした形式での表示
  2. 書類と同程度に明りょうに表示
  3. 拡大・縮小出力が可能
  4. 4ポイント文字認識

-6.システム関係書類の備付け

各税法に規定する納税地に下記の書類(または電子データ)の備付をおこなう。
スキャナ装置の概要および操作要領を記載した書類

  • 電子署名およびタイムスタンプに係る契約関係書類および操作要領を記載した書類
  • 検索機能およびバージョン管理の概要および操作要領を記載した書類
  • 国税関係書類に係る電磁的記録の記録および保存に関する事務手続きを明らかにした書類
  • 開発関係書類その他参考となる書類

-7.検索機能の確保

効率よく閲覧するため、事前に検索項目の登録をおこない、検索・抽出ができるようにする。
(取引年月日、その他の日付、取引金額、その他の主要な項目(記録項目)を検索条件として設定)

なお、金額や日付項目は、「From-To」で検索できる必要がある。また、複数の項目を組み合わせて検索することができる必要がある。

4)適用関係

税務署長の事前確認制度(みなし承認)
承認申請書は、国税関係書類をスキャナ保存に代える日の3カ月前の日までに所轄の税務署へ提出する必要がある。

平成28年度税制改正

1)ポイント

-1.契約書、領収書等の重要書類を受領する者がスキャナで読み取りをおこなう場合、次に掲げる事項をスキャナ保存の要件とする。

  1. 書類の受領後、受領する者が当該書類に署名を行った上で、特に速やか(3日以内)に電子化しタイムスタンプを付すこと。
  2. A4以下の大きさである場合、書類の大きさに関する情報の保存を要しない。
  3. 適正事務処理要件については、次のとおり。
    イ) 相互けん制要件について、書類の受領する者以外の者が記録事項の確認(必要に応じて原本の提出を求めることを含む。)をおこなうことで足りる。
    ロ) 定期検査要件について、定期検査まで必要とされている原本保存を本店、支店、事務所、事業所等においておこなう。
  4. 小規模企業者である場合、税務代理人(税理士等)による定期検査とすることにより、上記③イの相互けん制要件を不要とすることができる。

-2.その他

  1. スキャナについて、原稿台と一体となったものに限定する要件を廃止する。
  2. スキャナに係る階調の要件について、デジタルカメラ、スマートフォン等の機器に対応した取扱いをおこなう。
  3. その他所要の措置を講ずる。

2)改正による効果(経済産業省資料より抜粋)

ジェイ・アイ・エムがお手伝いできること

法令などによって保存が義務付けられている書類は、e-文書法に関連する約250の法令と各府省の省令にあげられています。
e-文書法に対応するためには、お客さまの業種や書類の性質から、関係する条文で保存義務があるとされている書類の特定が必要です。
「廃棄したい書類が対象かわからない」、「どうやればいいのかわからない」とお悩みのお客さまは、ぜひ一度ジェイ・アイ・エムへご連絡ください。

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